平安京一本御書所跡

僕は歴史が好きでちょくちょく京都に出向きます。一本御書所(いっぽんごしょどころ)というのは、平安時代当時世間に流布していた本を一本、必ず宮中で写して保管しておく所だったそうです。また平安時代末期に『平治の乱』という動乱が都の中でありました。平治の乱というのは一一五九年十二月、平清盛が熊野詣に赴いた隙をついて、藤原信頼源義朝が結託して政権奪取を謀ったクーデターです。その時の様子を記した史料『百練抄』(ひゃくれんしょう)平治元年十二月九日条によりますと、『夜、伊衛門督信頼卿、前下野守義朝等謀反。三条烏丸御所に放火し、上皇・上西門院を一本御書所に移し奉る』とあります。上皇、のちの後白河法皇と上西門院をこのあたりにあった一本御書所に押し込めてしまったのでしょう。一本御書所跡は京都市上京区にあります。二条城の少し北の方です。ひっそりとした静かなたたずまいのところです。



一本御書所跡から百メートルほど西に歩いて行くと今度は平安宮内裏跡があります。