平家の落人村7、兵庫県若杉村〜横行村の続編

前回で紹介しました横行の平家の落人一行は、揖保川づたいに山奥へ逃げ、若杉峠を越え、但馬の若杉に至り、某藤原さんという方の家に一泊し、お茶をもてなされたということですが、その藤原さんはどの家なのか知りたくなって横行の村をあとにし、峠へと向かってさらに道を登って行きました。
横行から5分ぐらいでしょうか、本道からはずれて若杉の村が見えて来ました。


この若杉村は、国道29号線を東に分かれて進み、若杉峠を越えて少し下ったところにあります。谷づたいに集落が三つに分かれているようです。そしてその藤原さんの家はどこなのか…。人さまの家の表札をまじまじと見るわけにもいかず…。
若杉には藤原という家は二軒あるそうですが…。
途中、道路わきに墓があり、その墓には“藤原”と書かれてありました。確かに藤原という家はあるようです…。


道路わきに、柿の木でしょうか、オレンジ色に紅葉しています。この日天気予報通り、途中から小雨がぱらぱら降って来ました。もうなにか冬の気配さえ感じます。


若杉の集落をずっとさかのぼって行くと、いちばん上の集落にはバス停がありました。


今から八百年数十年もの昔…、  逃れ逃れここへやって来た平家の落人はここがどのように見えたのでしょう…。 その時の光景は…、 今現在はずっと前方に青い道路の橋が見えますが、バイパスだと思います。そんなものはなく、電信柱もなにもなく、簡素なカヤブキの家が、ぽつりぽつりと立っている、寂れた村の光景があったにちがいありません。


村のいちばん上にあった家屋です。民家ではないようです。炭焼きに使われているのでしょうか…?


ここでも藤原さんの家を見つけるには至りませんでした。村の人に聞くという、そんな勇気もありませんし。
若杉村も、そろそろ晩秋に近づきつつあるようです。